タイトル:『陸っぱり15』-初めての経験なんですけど-
釣りの話ではないです。
まるでテレビ番組を見ている様な、
『初めての経験』の連続だったある出来事
の一部始終を簡単にダラダラと。
ちょっと物語風に書いてみます、「俺の目線」で書きます。
ご了承ください。
書けるかな?
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<<<<<<Prologue
..........あれは22:30を少し回った仕事帰りの電車の中での出来事。
俺は車内ドア際に立ち窓の外に流れる夜の街並みを、暗闇と街燈やネオン、闇と灯が作りだす
世界をボーっと眺めていた....仕事帰りのまどろみの中にいた。
間もなくxxx駅....といった所で横に立っていた人が「スー....」と
俺の横から立ち去って行った。
なぜだか俺はその立ち去り方?...気配?...雰囲気?......よく説明できないが
違和感を感じた。
ものすごい違和感だったので無意識だと思う、俺はカバンの中に手を突っ込んだ。
あら!?......財布が無い!
そう!
『初めての経験』とは...........
財布をスられた!! せっと~にあったのだ!
俺は窃盗事件の被害者となった。
(俺が事件の被害者?・・・初めての経験です。)
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<<<<<<FirstImpact
財布抜かれた!瞬時に「さっき立ち去った奴だ!」と俺は思った。
追うか?...どうする?....被害金額はたいしたことないはず(少ない事には自信あり)......
カードとか止めるの面倒だぞ....
といった思考がスーパーコンピューター並みの処理速度で処理された訳です。
追いました......
電車内なので走りはしないが、「xxx駅」に着く前に見つける必要がある。
駅に降りられたら分からない....
顔をまじまじと見たわけではないが、立ち去る際の斜め後ろからの
顔...髪型...背丈......居たら『奴だ!』と断言できる確信があった。
俺は追った、追いました、歩いて。
ガラガラガラ~~
車両間のドアを開け『奴』を追って隣の車両へ....探しながら先へ...先へ......いない。
立っている人、座っている人....まじまじと確認する事は出来ない.....
でも、いないと確信できる。
じゃ.....いたらどうする?.......
.....『奴』が持っている財布は俺のである、証明することは造作もない!
恐れず進め!!!正義は我にあり~~!!!
既にスーパーサイヤ人モードです.....。
おいおいちょっと待て....まずなんて話かける?
いきなり「かめはめ波」...これはダメでしょう。
「あの、ちょっとよろしいですか?財布を見せてもらえますか?・・・・・」
....なんだかなー、一応スーパーサイヤ人モード、強気で行きたいしなー。
あ!カメラ(スマホ)もスタンバっておくか......
なんて考えながらも、
「ヤバい!もう間もなく「xxx駅」に着く。この先車両は何両ある?
こりゃ~見つけられないか!ちきしょう!カードめんどくさいよ~!」
ガラガラガラ~~
次の車両へ.........
あ、いた?!いるし!見つけちゃったし!しかも俺の財布まさぐってるし!
バカだこいつ!!!!
(窃盗被害・・・追跡・・・見つけちゃう・・・初めての経験です。)
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<<<<<<SecondImpact
既にスーパーサイヤ人モードの俺。色々考えてた事など何処えやら......
『奴』に接近、俺に気付かない!
『奴』のすぐ横に、『奴』を正面に据えて、まさぐられている俺の財布を左手でわし掴み!
この時点で俺と『奴』で1つの財布を掴みあった状態!
右腕で肩を組むかの如く『奴』の首を"ガッ"固める!
俺は一喝!
『これは俺の財布だボケこらぁ!!』
........だったと思う。
言っておきますがスーパーサイヤ人モードですから。
『奴』はビックリしていた、キョトンとしていた。
何が起きたのか理解できていない様子。
2秒ほど間があって『奴』が一言....「なんですか?」....ですって。
「xxx駅」に着いた、ドアが開いたのを俺は感じた。
その刹那!
掴みあってた財布の重さが消えた!『奴』が財布から手を放した!
首にかかった俺の腕を振りほどき、脱兎の如く外へ.......
え!はや!逃げた!......どうする俺?
財布は手元に戻った、中を確認!カードはある、おそらく全部ある。
あ!札が無い!たいした額ではないが....数枚あったはずの札が無いいいっ!!!!!
小銭....量、重さ的に一切取られてなさそうだ!
財布はある...カードはある...小銭ある...札が無い...『奴』は逃走....どうする俺!....
この一連の騒ぎに周りの人が驚いているのは見ないでも分かる。
ここには居づらい。俺が電車を降りる予定の駅は数駅先。
『奴』は放っとくか....それじゃ泣き寝入りか.....もうちょっとビビらせていいでしょ!
またもスーパーコンピューター並みの処理速度で思考処理です。
俺も電車を降りて後を追う...小走りで。
ほとんど取り戻せたので捕まえる気は失せてます。
スーパーサイヤ人モードは解除されています。
この時間、「xxx駅」のホームは混んでいる。
ホームを小走りに追う、この時点で既に『奴』を視認できていない。
既に4秒...5秒?遅れを取っている。
ただ、『奴』が向かった先に何があるか、俺は知っている。下りの階段だ!
乗ってきた電車に乗らずに逃げたとすれば、下り階段の上からは
必死な....無様な後ろ姿が見れるかも....
その姿を見て心の中で冷やかに...いや、鼻で笑って「マヌケが!」と、つぶやいて
勘弁してやろう。
階段の上に立つと沢山の人が階段を上って来る。
『奴』の必死は姿は.....見てとれない!
遅かったか?いや、まだこの先へ向かってホームを逃走中?いや、電車に乗ったか?
ん!階段の途中、踊り場付近で人の流れに淀みが出来つつある。
なぜか俺には「ピン」と来るものがあった。必死に階段下りていて踏み外しやがった!
(公衆の面前にて犯人を一瞬でも捕まえた?・・・初めての経験です。)
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<<<<<<ThirdImpact
俺はゆっくり階段を下りて行く。
男性1人、仰向けで倒れている....『奴』が仰向けで倒れていた。
『奴』は意識が無いようだ。
回りの人が「大丈夫ですか?」と心配そうに声をかけている。
『いやいや、そいつは盗人だ。』
俺は思った。
『え~!捕まえられちゃうし!捕まえなくて良かったのに.......』
過去に拾ったサイフを交番に届け、調書書きに時間が掛った記憶が蘇る。
捕まえる...警察呼ぶ....この時間から?....間違いなく帰れない。
どうする?
駅員さんが来た。
心配して声かけていた人に話を聞いている。
俺はすぐ横に立ち様子を見ていた....どうするか迷っていた。
救急車を呼ぶらしい。
俺はすぐ横に立ち様子を見ていた....どうするか迷っていた
.........................................................
............................................泣き寝入りは腹立つよな。
って事で、俺は駅員さんに伝えてしまった。
俺:『この人、斯々云々でスリです』
駅員さん:「え!そうなんですか?警察も呼びましょう」
アッサリでした。
これで今日は帰れない。明日も普通に仕事、でも帰れない事が確定。
救急隊員と警察官は案外すぐに来た。
凄いな日本....関心した事を覚えている。
(そうだな~え~っと!とにかく・・・初めての経験です。)
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<<<<<<FourthImpact
『奴』は応急処置を施され救急車で何処かへ行ってしまった。
俺はパトカーに乗車。
俺は車を運転する、違反切符を切られた事もある。
パトカーに乗ることは初めてではない。
うぉ!パトカー動いた!動くパトカーは初めてだって!
7、8分程で管轄の警察署に到着。ほぼ夜中の警察署。
刑事さんたちがいる部屋の片隅で調書取りが始まった。
同じ質問を何度も何度も....そうして発言の一貫性を見てるんだろうなー
と思いながら....何度も何度も。
しばらくして刑事さんに呼ばれた、呼ばれるがままについて行った。
病院で治療した『奴』が警察署に到着したらしい。
刑事さん:「部屋の中を覗いてください。」
刑事さん:「顔を確認してください。彼ですか?」
刑事さん:「マジックミラーになっています」
俺:「そうですね、彼です」
うわうわうわ~~!刑事ドラマ。
そうそう、刑事さん曰く、『逮捕者』は俺になるらしい
「私人逮捕」と言うらしい。
その時点で既に夜中2時とか3時。調書はまだまだ続いた......
俺は被害者という事で案外自由に出歩けた。
不謹慎かもしれないけれど、こんな時間にお開きにされても
困っちゃうので、この時間を楽しんでいたと思う。
こんな経験フツーはしないしね。
そう言えば、こんな事があった。
俺と『奴』、トイレへ行くタイミングが同じだったりして何度かご対面。
本来、そんな事はあってはならないらしいけど何度かご対面(笑)。
結局解放されたのは朝6時過ぎ。
一睡もせず、久しぶりに徹夜ってやつですかね。
最寄の....事件のあった駅に車で送ってもらった。
・・・・・結局抜かれたお金は帰ってこなかった。
天気のいい朝だった。
とりあえず立ち食いソバ屋に入り...腹を満たした。
こんな朝早くに営業していてくれた事に感謝した。
お代は取られなかった小銭で足りた。
終わった、やっと終わった、長い一日だった。
(警察署に長時間滞在・・・取調室・・・逮捕しちゃった・・・
そもそも相手を刑事さんと認識しながらの会話・・・初めての経験です。)
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<<<<<<epilogue
後日、警察から電話があり「現場写真を撮る・・・云々・・・」....
という事で行きました、事件現場...通勤経路ですし。
現場写真を撮る................
指さししながら「ここで電車を降りた」....っで一枚!パシャリ。
指さししながら「階段の上に立つ」....っで一枚!パシャリ。
指さししながら「『奴』が仰向けで倒れていた」....っで一枚!パシャリ。
こんな感じで写真撮り。
他に人がいるのでちょっと恥ずかしい。
さらに数日後、「検察官がお話を聞かせてほしい・・・云々・・・」....
という事で行きました、検察庁(ふつー、検察庁って行かないでしょ?)。
警察署での調書のおさらいといった感じで、同じことを聞かれた。
また、裁判するとかしないとか....そんな話もしたかな。
ここまで『初めての経験』だらけなのに、さらに裁判で証言....
ほんとに刑事ドラマみたい。
裁判....証言....
でも、俺の心は乗る気じゃない。
抜かれた金額は大したことない...『奴』は頭を強打、怪我を負った.....ざまぁない。
しかも留置所と警察署を行ったり来たりらしい。
なにより俺はスーパーサイヤ人モードではい。
それに、全ては平日に行われる。俺は普通に働いてます。
ちょっと無理だよね?裁判は、どう考えても....
さらに後日、「示談交渉・・・云々・・・」と、『奴』の弁護士さんから電話あり。
とあるホテルのコーヒーラウンジで会うことになった。
若い弁護士さんだった。
俺と弁護士さん、席に案内されてメニュー見て....2人一緒に...『え?高い!』
コーヒーが通常の2倍以上(千円をかるく超えてます)する。
『マジでか!アッチのテーブルはさらにサンドウィッチ食べてるし!
いくらだあれは~~』(心のなかの叫び)
もちろんコーヒのみ注文、弁護士さんも「同じ物で....」
この場所、この雰囲気...ヤバい...格式ってやつ?それが高くない????
なのに盛況なんですけど。
一抹の不安.....飲み屋じゃないのになぜか不安.......
気を取り直して、雑談...もちろん示談の話もちゃんとした。
『奴』の現状や、「悔いている」、といった事を聞いた。
俺はと言うと、もう全く怒っていない。
「示談でいいですよ」オーラ全開!....完全にいい人モードである。
スーパーサイヤ人はとっくにいません。
謝罪文...示談金...示談書....話はとんとんと進んだ。
そこへ、ラウンジのウェイトレスさんが俺たち2人の席の横に立ち止まった。
......「コーヒーのお替りはいかがですか?」......
つられて俺たち、「あ、お願いします」...「私もお願いします」........
ウェイトレスさんが立ち去った途端、2人して「それでなんですね、高いのは。」(笑)
お替り自由らしい!
お替りしたコーヒーを飲み終わるまで雑談は続き、無事、示談交渉成立。
(検察・・・検事さん・・・弁護士さん.........
窃盗...逮捕...取り調べ...初めての経験しまくりだったよ。)
俺は何事も無かったかの様に家路を急いだのであった。
<<<<<<End
まぁ.....こんな感じの事があった訳です、1ヶ月ほどの出来事でした。
これ全部ホントの話。
※長くなっちゃいました、すいません。m(._.)m
そろそろ鯵ですねー。
時期的にはまだちょっと早いのでとりあえず根魚行きたい。
-もりちゃん-